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Final Fantasy IX〜Another Side〜
第2章
二人は宿に戻る前に酒場に寄ることにした。
冒険者にとって酒場での情報収集は基本中の基本である。
店の中に入るとまだ夕方だというのに
人々は酒に酔いしれてドンチャン騒ぎを起こしていた。
二人は店の端の方の席に座るとウェイトレスを呼び、アップルジュースを注文した。
若干一名、酒に弱い人がいるからだ。
以前、酒場で自分に対抗するために
ミオがろくに飲めもしない酒を飲みまくったことがあった。
酔っ払う"だけ"ならいいのだが、ミオはもちろん暴れたのである。
いくら叩かれたかわからない。
極度の興奮状態になると体から不思議な力が溢れてきて、
とてつもない力を発揮することが出来る人がいると聞いたことがあるのだか
(そのことをトランスと言うらしい)、酒を飲んだときのミオはそんな感じだ。
そのあとぐっすり寝てしまったミオをおぶって家まで運んだのだった。
なにかと大変なのである。
だから、ミオに酒を飲ませてはいけない、そう心の中に決めていた。
そう、自分の身を守るためだ。
そんなことを考えていると後ろでガシャンと皿の割れる音がした。
何事かと思い二人は振り返ってみた。
そこでは盗賊風の女と、商人風の男が言い争いをしていた。
「だからあんたは信用できないんだよっ。あんな危ない仕事をわざとさせやがって」
「あぁん、なんだと。頼みもしねぇのにしっぽ掴まれやがって。
こっちはクビどころか危うく捕まりかけたんだぞ。恩を忘れたのか?」
「そっ、それは・・・」
「ともかく報酬は3分の1だ。もらえるだけありがたく思え。」
「そんなっ!」
テーブルにドシャっと袋を置くと商人風の男は店を出ていった。
盗賊風の女は椅子に座った。
っと、レオンはその女と目が会った。
「私、ちょっと話聞いてくる。」
ミオがそういうとその女のテーブルに歩み寄っていった。
「おっ、おい」
テーブルに残された飲みかけのアップルジュースを持ってミオを追い掛けた。
「何かあったんですか?」
ミオはテーブルに着くなりそう聞いた。
「あぁ、まぁ色々あってな。」
「ふぅ〜ん」
レオンから飲みかけのアップルジュースを受け取ると
ミオはつまらなさそうに言った。
他人の厄介ごとに首を突っ込みたがる性格をしている
彼女にしてみれば、その女の返答はつまらないものだったのだろう。
「あの・・・お名前は?」
しまったと思った。
ミオに話し掛ける分にはいいのだか、相手は自分よりも年上であろう女性。
レオンは女性と話すのがあまり得意ではないのだ。
しかも、その女性の着ているものが、
その・・・やけに肌の露出度が高いのである。
たぶん盗賊なのであろう。
それで身軽にするためにそういうかっこをしているということぐらい、
こっちにだってわかる。しかし、あれではどこを見て話せばいいのかわからない。
自然とモジモジしてしまう。
「あぁ、私の名前?スーラ。スーラ=ファンダイクだよ。」
ぼーっとしてしまったレオンに彼女はそう答えた。
「で、スーラさんはなんでモメてたんですか?」
ミオが話しに割り込んでくる。
「ちょっとね。私が請け負った仕事でヘマしちまってね。それであのザマだよ。」
「でも、危険な仕事だって」
「それはいつものことなんだけど、忍び込んだ屋敷の警備がやたら多くてね。ほら、トレノって街知ってる?あそこにある貴族の屋敷に忍び込んだまではよかったんだけどねぇ。」
「それで命からがらここまで逃げてきたと・・・。」
スーラの後ろにいつのまにか立っていた男がそう言った。軽め鎧に槍を持っていた。
「おう、おかえり」
スーラがその男になれなれしく言った。
「あの・・・」
おそるおそる聞いてみる。
「あぁ、こいつね。ゼノ=グリルパルツァー。ゼノって呼んであげて。」
「スーラさんとゼノさんは、どういったご関係なんですか?」
ミオが聞いてみた。厄介ごとの他に、人様の関係についても興味があるようだ。
「私が屋敷の衛兵におわれてたときに助けてくれたのがコイツってわけ。」
「命の恩人に"コイツ"はないだろ。」
苦笑いをしながらゼノが言った。
「で、一緒にアレクサンドリアに来たと」
レオンが会話に加わった。話しに置いてかれそうだったからだ。
「あぁ、アレクサンドリアに用事があったんでね。彼女の用心棒代わりってね。」
「用事?」
「アレクサンドリアで何かミッションがあると聞いたもんでね。君達も参加するんだろ?」
「あっ、はい。参加します。」
声が上擦ってしまった。
「Fランクですけどねぇ。」
ミオが茶々を入れた。
「Fランク?あぁ、駆け出し冒険者って訳か。」
「えぇ・・・」
「ちょうどよかった。」
「え?」
思わぬ返答に戸惑ってしまった。
「一緒にパーティ組む人を探していたんだ。君達もどうだい?」
「えっ?」
「はい!よろこんで!」
ミオが嬉しそうに答えた。
「では、決まりだな。じゃあ、明日の九時に」
そう言ってスーラとミオは行ってしまった。
「いいのか?本当に」
ミオに聞いてみる。
「いいじゃない。ひょっこにパーティを組もうなんて言ってくれる人なんて、
なかなかいないわよ」
「それは、そうだけど・・・」
わざわざトレノから、こんなお使いミッションをするために来るだろうか。
気になることはたくさんあるけど、気にしないことにした。
気にしすぎると、厄介なことに巻き込まれるかもしれないから・・・。
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