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第五話
ジュノ大国・・・・
下層部・上層部・飛空挺乗り場・そして・ル・ルデの庭
四層の区間に分かれている大きい国である。
そして冒険者制度にワーパー制度をいち早く用いた国でもある。
ワーパー制度がなかった時代、殆どの冒険者が金の欲望にとらわれていた。
私利私欲のために、剣を振るい魔法を使う冒険者たち。
ワーパー制度とは一部の優れた冒険者・あるいは、
私のように、生活難の人間に与えられた制度である。
だが適正な試験をパスしなければ、この制度は受けられない。
だが今もその欲望に勝てず彷徨い歩くのがアイダーである。
私はいつまでこの仕事を続けなくてはならないだろうか・・・・・
ジュノのポートに飛空挺が着水する。
桟橋によせられる飛空挺。
船員さんたちはフックにロープを繋ぎ止めている。
私たちは飛空挺から降りる準備をする。
「何か外が騒がしくないですか。」
ショーテルが船内の窓から外を覗きながら手招きをしている。
確かに騒がしいのだが、これが普通なんじゃないのか?
大きい国だし・・・・・・・
私もショーテルが覗いていた窓から外を眺めてみる。
「なによこれ。」
外には撮影用の複写装置を抱えた報道員がわんさか・・・・
ひょっとして私が来るのを待っていたのか?
だとしたらこのまま出て行くのは非常にまずい。
「参りましたねぇ。」
使いの人もこの状況に困っている。
もうこれしかないな・・・・可愛そうだけど仕方ない。
私はショーテルとロッドを呼んで耳打で作戦を伝える。
「嫌です絶対にいやぁー」
「おいらも反対。」
二人とも大ブーイングである。
「しょうがないでしょ。これしか良いアイデア浮かばなかったんだから。」
そしてちょっと目を潤わせながら、
「お願い、もう少しで親父に会えるの。」
私の悲しそうな芝居を見てか、しぶしぶ二人はOKしてくれた。
結構騙されやすいタイプなんだな。この二人は・・・
私の考え・・・・只単に二人に船から下りてもらうだけ。
囮になってもらうのだ・・・・・・・
恐る恐る船を降りる二人・・・・・
案の定・・・・揉みくちゃにされている・・・
もはや、報道員の波にのまれて姿が見えない。
数分後、ぞろぞろと入港口に向かう報道員たち。
どうやら、諦めてくれたらしい。
「死んでませんよね?お二方。」
「だいじょうぶでしょ?さあ、行きましょう。」
私は冷たい視線を感じながらも船から降りる。
報道員が群がっていた場所に横たわっている二人。
しかもぴくぴく痙攣を起こしてるし・・・・・
「だから嫌だって言ったのにぃ。」
「おっおいらもう駄目、死ぬ・・・」
二人とも仰向けにぶっ倒れ、全身足跡だらけ・・・・
「はいはい、いつまでも寝てないで立った立った。」
ぱんぱん手をたたき無理やり立たせ入港口を目指す。
「鬼だ・・・」
「悪魔だわ・・・」
完全に二人はふてくされている。
使いの人もこれには流石に苦笑いしている。
私は気にすることなく入港口の扉を開け、中に入ると
室内の受付テーブルで背もたれしているセイバーの姿があった。
「お勤めご苦労さん。団長。」
「上手く播けましたか?報道員の方々は。」
「ええ、サンドリア行きのポートに陽動したから大丈夫ですよ。」
「では後はお任せしますね。」
使いの人はそう言って、ポートから出て行った。
「団長?」
さっきの使いの人が、そうだったのか?・・・
「まあ、いろいろとあってね。理由は歩きながら話そう。
大公も君が来るのをまってるしね。」
そして私たちはジュノに入国手続きを済ませポートから出ることになった。
「うひゃー。」
私はあまりの人の多さに、驚愕の声を上げる。
殆ど歩行者天国並みで、まともに歩けない状態だ。
そんな私とは裏腹に三人はスイスイ人の波を避けつつ歩いている。
「ちょっと待ってよ。」
私は三人を呼び止めた。
「田舎もんはこれだからねぇ。」
「まったくよねぇ。」
ロッドとショーテルは私を横目で見つつニヤニヤしている。
うぅ、さっきの仕返しのつもりか・・・
悔しいけど言い返せない・・・くそっ
「慣れてないからしょうがないか。んじゃゆっくり行きますか。」
セイバーは一旦私のいるところに戻ってくれた。
「さっき言ってた団長って?」
私は彼に理由を聞くことにした。
セイバーたちはある冒険者の団体に入団していた。
冒険者たちは、多人数で団体を組みそこで各国々の情報をやり取りしている。
その団体の中で皆仲間を募って冒険に出るのである。
でその団体の設立者が団長になるわけなのだが・・・・
「なんで団長さんが使いに?」
もともとジュノのバストゥーク大使館から使いが来る予定だったが
緊急事態でデルクフの塔の調査の依頼を大公から命じられたらしいのだ。
セイバーも調べ物で手が離せず、急遽手が空いていた団長に頼んだというのだ。
「調べ物って何調べてたの?」
セイバーが調べたところ・・・偽の報告書は大公直筆でサインもあったのだが、
筆跡鑑定したところ、大公が書いた物ではないことが分かったらしい。
じゃあ例の偽の報告書を誰が書き村に届けたのか・・・・・
「で、犯人は分かった?」
「いや、まだそこまで行き着いてない。」
彼の言葉に少し肩をおとす。
「でこっちが本物の報告書の内容だ。」
私は彼から書類を手渡される。
その内容とは・・・・・
英雄の活躍を称え村の再建費用の資金を与える・・・・という内容だった。
「やっぱりお金が絡んでたのか。」
持ち逃げされたのだ、誰かに・・・・・
「何それ、酷すぎる。」
ショーテルの口が開いた。
「とにかく謝罪がしたいらしい。急いでル・ルデの庭に行くぞ。」
セイバーが再び歩き出した。
慌てて遅れまいと私も歩き出す。
まぁ大体の予想は、以前宿で食事していた時に分かっていたから
さほど腹が立たなかった。
謝罪かぁ・・・・
でも大公が悪くはないんだし・・・
少し大公に面会するのに躊躇している私だった。
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